技術ラボ便り

ここでは、普段お客様からご依頼をいただく「一般的」な試験について紹介をさせていただきます。皆様が知っている内容も多々あるかもしれませんが、今一度確認のためにもご一読いただければと思います。第四回目はドライクリーニング堅牢度試験についてです。

ドライクリーニング堅牢度試験について

ドライクリーニング試験は、“ドライクリーニングを行うことによって、どの程度変色するか、また他のものにどの程度色移りが発生するかの程度”を確認する試験です。

JIS L 0860には、A−1法(パークロロエチレン+界面活性剤+水+鋼球20個)、A−2法(パークロロエチレンのみ)とB−1法(工業ガソリン5号+界面活性剤+水+鋼球20個)、B−2法(工業ガソリン5号のみ)があります。

試験方法および判定

問題になりやすい素材

ポリエステルの濃淡配色製品、顔料プリント、箔プリント等の製品や合成皮革製品があげられます。

原因

 染料自身が使用溶剤の影響で変色する場合、特にナフトール染料染めや顔料染色品による素材で発生することもあります。染色時の繊維と未固着の染料が、繊維上に残って色落ちが発生します。また、欧米・中国で硬水を染色水として使用している場合、軟水で洗濯を行うと、色落ちが発生することがあります。

対策

生地の段階において試験をし、染料や顔料選択が適切であるかを確認します。

染色後、軟水による高温での十分な洗いが適切な色止めに繋がります。各種試験を実施しデータ確認した上で、水洗い可能な商品はドライクリーニング禁止の表示を付けます。また、フィックス剤による染料の固着や風合いが悪くなるかもしれませんが、樹脂加工もあげられます。

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