技術ラボ便り

Q.1 最近、先端分析機器を使ったペプチド分析が新聞などを賑わせていますが、これでカシミヤの特定はできるのですか?

A.1 この分析法は、ヒツジ(羊毛)、ヤギ、ヤクなどの区別をするには優れた方法です。
しかし、この分析法では、ヤギ由来の毛であるというところまでしか特定できません。
カシミヤヤギ、モヘヤ(アンゴラヤギ)、その他のヤギの毛も同じ結果となりますので、それらの特定は顕微鏡法を用いないと不可能です。その他の毛につきましては下記の表をご参照ください。

Q.2 ペプチド分析にはどのような方法があるのですか?

A.2 ペプチド分析は、質量分析器を使用して実施します。
その質量分析器により試験方法が異なりますが、ケケンでは、より定量性に優れるLC/ESI-MS(液体クロマトグラフィー質量分析計)を用いた方法を採用しています。

Q.3 ペプチド分析はどのように活用されているのですか?

A.3 現在、獣毛混用率を測定するための標準化された唯一の方法がJIS L 1030-2顕微鏡法ですが、
ケケンではこれを補完する目的で活用しています。
具体的には、顕微鏡で判別が困難とされるスケールオフやブリーチ(脱色)加工した試料等に対し必要な場合に顕微鏡法での結果をこのペプチド分析法の結果を参考に検証しております。

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