技術ラボ便り

ピリング試験は、“着用中の摩擦による生地表面のピリング(小さな球状の塊ピル・毛玉)の発生の程度”を調べる試験です。
ここでは、一般的に使用される、JIS L 1076 A法 ICI形試験機を用いる方法を紹介します。
この方法は、通常着用における擦れの影響を確認する際に用いられております。

●発生しやすい素材●
繊維が細くて強いもの(合成繊維全般)、スパン(紡績)糸で撚の甘いもの、生地組織が荒くラフなもの、表面に毛羽の多いもの(起毛素材など)があげられます。
特に混紡素材、獣毛はピルの脱落するものが多いが結果も悪いので注意が必要です。

●対策●
ある程度強さを犠牲にしてピルが脱落しやすいようにし、繊維長を長く、撚り数を増やし、目を詰めること、ブラッシング、毛羽を抑えることなどが考えられます。また、表面を樹脂などでコーティングすることや潤滑油を塗ること、風合いが変わるかもしれませんが、毛焼き加工も対策としてあげられます。

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