技術ラボ便り

近年、省エネに対して関心が高まり、クールビズや空調の設定温度を上げるなどの節電を喚起・推奨されています。
涼しく感じる機能の一つである遮熱機能が備わっている日傘やカーテン等は店頭でもよく見かけるようになりました。
数ある機能性の中でも今回は疑似太陽光の熱を遮熱加工が施してある生地と未加工の生地で
温度差を調べる遮熱性試験について紹介します。

◎試験方法
標準状態20±2℃、65±4%RHの条件下で黒画用紙より5mm上の位置に試験片(15cm×15cm)を固定し、黒画用紙の裏面中央部に熱電対温度センサーを取り付け、試料表面にランプを照射(15分)させた時の温度変化を経過時間毎に測定します。
各試料を並べて測定した後、試料を入れ替え再度測定を行い、平均値を結果とします。

◎基準値
加工品と未加工品もしくは比較品の最大上昇温度で有意差が認められること。

なぜ涼しくなるのか…?
断熱材でも涼しくなるのではないかと思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、
断熱材は熱を貯める性質があるものが多く、日が沈んでからも熱を放射する特性があります。
それに比べて遮熱製品は熱を遮断し、熱を貯める性質が少ないので、
太陽の光と熱を遮ることができます。そして、結果的に体感温度が下がるので、
涼しく感じることができます。


◎代表的な加工方法
・遠赤外線を吸収、及び再放射しやすい酸化チタンやセラミック等を生地に付着させる加工。
・ポリエステルなどの合成繊維の内部に酸化チタン等を練り込んだ糸を使用する方法。

◎この機能のデメリット
・太陽の日差しを反射する事で、暑さを軽減させる機能なので、地面等からの熱には、
あまり効果を発揮できない。

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