技術ラボ便り
ピリングとは、着用や洗濯時のこすれの影響によって、繊維製品の生地表面が毛羽立ち、絡み合って毛玉(ピル)を生じる現象のことをいいます。
特にセーターなどで発生しやすいです。
発生状況
着用後、バックと接触していた箇所で外観変化(ピリング)が発生した。
外観観察
外観写真
拡大写真
組成表示
ポリエステル50% 綿50%
試験結果
提出された製品の新品同等品にて試験を実施したところ、次のような結果になりました。
試験項目 |
試験方法 | 試験結果 |
---|---|---|
ピリング試験 (ICI法) |
JIS L 1076 A法 5時間 ※織地は10時間 |
2.0級 |
一般的な基準
3.0 級以上
発生しやすい条件
織物と比べ編物の方が発生しやすいです。
天然繊維に比べ合成繊維(繊維が細く強いもの)は発生しやすいです。
フィラメント糸に比べて紡績糸で甘撚りのものは発生しやすく、生地の表面で毛羽立ちの多いものが発生しやすいです。
対策
ピル発生のメカニズムについては、「毛羽立ち→絡み→ピリング→脱落」であるため、ピルの発生を防止する方法としてはけば立ちにくくすることや、毛羽の絡みを少なくすることが挙げられます。
その他に、発生した毛羽や精製したピルの脱落を早める方法なども挙げられます。