技術ラボ便り
発生状況
着用後、保管していたところ変色が確認された。
外観観察
観察ポイント
- 変色個所は主に、袖やラベルにあり、部分的に発生しています。
- 変色は生地の表側のみで発生、裏側では確認できません。
- 変色は赤みを帯びた変色です。
組成表示
表地 : 綿60% ポリエステル40%
裏地 : ポリエステル100%
試験結果
ATTS汗液を使用した汗耐光試験の結果より、事故部分と同程度の変色が確認されたため、光(日光)と汗の複合作用による変色の可能性が推察されました。
人口汗液の成分が異なる方法(JIS汗液、ATTS汗液)で実施することや、光の照射時間を変更することで変色の再現が可能です。
試験項目 | 試験方法 | 試験結果 |
---|---|---|
耐光 | JIS L 0842 | 3級以上 4級未満 |
水 | JIS L 0846 | 変退色 5級 汚染 4-5級 |
汗(酸性) | JIS L 0848 | 変退色 5級 汚染 4-5級 |
汗(アルカリ性) | JIS L 0848 | 変退色 5級 汚染 4-5級 |
ホットプレス | JIS L 0850 B-2 | 変退色 4級 汚染 4級 |
ドライクリーニング | JIS L 0860 A-1 | 変退色 5級 汚染 5級 |
汗耐光 | JIS L 0888 B法 (JIS 人口汗液) |
酸性 3-4級 アルカリ性 3-4級 |
再現試験(汗耐光)
・JIS L 0888 B法
(ATTS人口汗液)
4級照射
対策
着用時に汗が付着した際は、洗濯によりしっかり洗い流しましょう。
UV加工剤等を用いた後加工により、1級程度改善する場合もあります。