技術ラボ便り

ここでは、シリーズ企画でいろいろな特集を組んで紹介したいと思います。第一弾は、機能性試験について紹介をしていきます。普段、あまり目に触れる事が少ない人もいるかもしれませんが、お店などで目にすることが多い機能を中心に紹介していきたいと思います。第一回目は「紫外線遮蔽率」についてです。

紫外線遮蔽(UVカット)加工品について

春から初夏にかけては、1年のうちで最も紫外線(UV)量が多い季節です。紫外線は、長時間浴び続けることにより、日焼けや皮膚ガンなど、人体に様々な影響を及ぼす可能性があります。そのため近年では、UVカット加工がなされた繊維製品が市場に数多く出回っています。

このようなUVカット加工製品が、どの程度UVをカットすることが出来ているのかを評価する試験が紫外線(UV)遮蔽率試験です。UVカットの性能を評価する試験としては、現在日本国内で最も一般的に用いられてます。

◎試験方法

方法:アパレル製品等品質性能対策協議会

分光光度計を用い、波長280〜400nmの紫外線に対する透過率を測定し、そこから紫外線遮蔽率を算出します。紫外線遮蔽率の値が高いほど、UVカット効果が高いことを示します。

◎基準値

加工品の透過率が未加工品の透過率の50%以下で、

且つ、遮蔽率が

 90%以上の加工品…A級

 80%以上の加工品…B級

 50%以上の加工品…C級

UV試験機

ちなみに…

アメリカやオーストラリアなどの紫外線対策先進国では、UPF(紫外線保護係数)による評価が一般的に行われています。
UPFとは、人間が直接素肌に紫外線を浴びている状態に対し、衣服を着用した時、どの程度日焼けを防ぐことが出来るのかを評価する方法で、UPFの値が高いほど、日焼け防止効果が高いと評価されます。
紫外線は、波長の長さと人体や環境への影響の観点から、UV-A(紫外線A波)・UV-B(紫外線B波)・UV-C(紫外線C波)の3種類に分けられます。UPFは、人体への影響が大きいUV-B(紫外線B波)をよくカットするものほど値が高くなるため、紫外線遮蔽率の結果が同じでも、UPFの結果が異なることがあります。

◎代表的な加工方法

・生地を厚くする、または密度を高くし、紫外線の透過を防ぐ。
・UVカット物質を生地表面にコーティングする(主に天然繊維に使用)。
・UVカット成分を繊維内部に練り込む(主に化学繊維に使用)。

◎この機能のデメリット

・UVカット物質を生地表面にコーティングする方法で加工されたものは、水濡れや摩擦、紫外線等の影響で、徐々にUVカット効果が薄れてしまう可能性があるので注意が必要です。また、洗濯に対する耐性が低く、効果が持続しにくい傾向もあります。
・未加工段階でUVカットが80%以上あるものは、さらなる効果が出にくいです。基本的に、薄地の密度が高い生地については、加工による効果が出やすい傾向があります。

◎一口メモ

紫外線をカットする生地はどういった生地?

紫外線カットの加工未加工に関わらず、どのような生地が紫外線を遮蔽する性能が高いかというと、基本的には「物理的に光の透さない構造」が一番で、目付が高かったり、透け性が低い生地、濃色であるものについては紫外線を遮蔽する性能が高いデータが出ています。また、素材でいえば、ポリエステル、羊毛については他の繊維に比べ紫外線を遮蔽しやすい素材となります。

実際に試験をしていても、紫外線カット加工しないでも紫外線を90%以上カットするものもいくつかあり、加工剤や加工方法よりもこういった影響の方が大きい場合も多々あります・・・。

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