技術ラボ便り

ここでは、普段お客様からご依頼をいただく「一般的」な試験について紹介をさせていただきます。皆様が知っている内容も多々あるかもしれませんが、今一度確認のためにもご一読いただければと思います。第5回目は窒素酸化物堅牢度試験についてです。

窒素酸化物堅牢度試験について

JIS L 0855にある窒素酸化物試験は、“車の排気ガスや空気中に含まれる窒素酸化物( NOx)によりどの程度変色するか”を確認する試験です。弱試験と強試験があります。

弱試験は1サイクル試験で、強試験は3サイクル試験です。

問題になりやすい素材

綿、レーヨンなどの反応染料を使用している製品、直接染料、分散染料を使用している製品、ナイロン製品などがあげられます。

原因

窒素酸化物中の二酸化窒素は反応染料、直接染料、分散染料に反応し染料を分解、変色に至らせることがあります。ナイロン製品においては、空気中の窒素酸化ガスと反応し黄変する性質があるので注意が必要です。

対策

 生地の段階において、試験します。撥水処理を行い、窒素酸化物の吸着を抑え、窒素酸化物に対し堅ろうな染料を使用します。窒素酸化物が多く発生する場所での保管、高温多湿の条件を避け、また、保管する際には、風通しの良い場所に保管し、換気を定期的に行います。

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