技術ラボ便り

【第二回目:色の変化・外形外観変化・損傷について】

前回は、技術相談の内訳と近年の推移について紹介させていただきましたが、今回は過去10年ほどの相談件数上位3位に入る「色の変化・外形外観変化・損傷」の各現象の試験方法をご紹介したいと思います。

色の変化・外形外観変化・損傷に関する事例の中から代表的な事例について、どのような試験を行えばよいかを紹介します。現象の詳細によっては試験を追加及び削除する必要があるので、すべての事例がこの試験を実施すればよいというわけではないので注意してください。

色の変化について

色の変化は、大別すると変退色・汚染(色移り)に分けられます。繊維製品の変退色とは、色の変化の程度を示しており、汚染とは、濃色部から淡色部に色が移ることを言います。例として、染料自体の変退色(色落ち、光、薬品等による変色)、繊維素材の変質(光や熱によって変色)、物理的作用による変色(摩耗による白化)等が一般的にあげられます。以下にそれらの現象と関連する試験方法を紹介します。

外形外観変化について

外形外観変化は、主にピリング・スナッグ・バブリング等が挙げられます。例として、視覚的に現象がわかりやすく、繰り返しの擦れ、過度な圧力や水分が加わるなどの物理的要因が大きく関わっています。以下にそれらの現象と関連する試験方法を紹介します。

損傷について

損傷は、主に物理的損傷・化学的損傷・虫害などに分けられます。例として、物理的損傷は、生地の段階での生地強度の良否等や製品としては、消費者の着用条件や製品運搬時における事故等で起こることがあげられます。しかし、化学的損傷は生地の段階での試験では問題ないものでも問題になることがあります。以下にそれらの現象と関連する試験方法を紹介します。

 次回からは、各事例について紹介していきます。また、興味深い事例や季節が関係している事例に関しては随時ご紹介したいと考えております。

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