技術ラボ便り

洗濯試験は、“洗濯を行った時に、どの程度変色するか、また他の物にどの程度色移りが発生するか、の程度”を調べるものです。JIS L 0844には、A法〜D法まであります。
ここでは、一般的に使われているA−1号・A−2号を紹介します。

●試験方法および判定●

●発生しやすい素材●
 インディゴ染料、顔料、親水性染料(直接染料、反応染料、酸性染料)使用製品があげられます。

●原因●
 <変退色>:使用した染料や顔料自身が洗剤中のアルカリの影響で変色する場合、特に酸性染料染めによるナイロン、毛、絹素材の中色から淡色に発生しやすいです。<汚染> :染色時の繊維と未固着の染料が、繊維上に残って色落ちが発生します。また、欧米・中国で硬水を染色水として使用している場合、軟水で洗濯を行うと、色落ちが発生することがあります。

●対策●
 ソーピング剤、フィックス剤により染料を固着させるのが一般的です。しかし、必ずしも向上するとは限りません。また樹脂加工があげられますが、風合いが悪くなります。よって、生地の段階において試験をし、染料や顔料選択が適切であるかを見ます。また、染色後、軟水による高温での十分な洗いが適切な色止めに繋がります。ケアラベル等により、取扱いの注意表示を行います。

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